親父専用マーケティング

「バケモノの子」が親父専用作品なのはマーケティング的にどうなのか


細田守監督作品「バケモノの子」を見ました。

新作「未来のミライ」を見る前に、一度は見ておこうと思ってDVDをレンタル。個人的には良かった部類に入るかな。

でも、興行収入が良かった割には評判があんまり良くなかったらしい。その理由を自分なりに少し考えてみたので書いてみる。

ただしこのブログはイベントに関係することを書くブログなので、ストーリーや声優などについては書かない。

 

イベントの集客について共通項のある「マーケティング」について書いてみる。

 
結論:マーケティング的に良くなかった。
ざっくりいうと、作品づくりの方向性が良くなかったのではないか。

 

ベネフィット

 

製品やサービスを利用することで消費者が得られる有形、無形の価値のこと。

有名な例えでは「ドリルを買う人はドリルを欲しいのではなく、穴が欲しいからドリルを買う」

お客さんは商品が欲しいのではなく、そこから得られる効用「穴」が欲しい。って話。

 

その点でいうと、この作品の商品は「舞台設定」になるのかな。

他作品と同じように、時間をさかのぼったり、サイバー空間とかオオカミとかと同じように「非日常」なバケモノの街が描かれている。舞台設定としては良くて、それがあったからこそ、そこそこ楽しめる作品になっているし、映画館へ足を運んだ人もたくさんいたと考える。

でも、お客さんが作品を見て得たかったものは「非日常性」ではなく、作品から自分自身に伝わってくる「すがすがしい気持ち」「やわらかい気持ち」。こういった気持ちを期待して映画館へ足を運んだんじゃないかな。

お客さんは共感を求めていたんだと思う。

でも、この辺りを最初に見誤っていたのではないか。

 

ターゲット設定

 

そして、共感を誰に与えるのかという、ターゲット設定も良くないように見える。

 

この「バケモノの子」、師匠と弟子の話の形をした「親父と息子」の話ですよね。

 

親父と息子の関係性、すごく乱暴なステレオタイプな表現をすれば、

子どもにとって親父は、何かを学び乗り越えるべき存在

親父にとっての息子は、示し導き育て上げるべき存在

 

これはマーケティング的に良くない。

成功を目指すなら一番人数の多い「主力となる客層」に作品に共感してもらう必要があるはず。

 

「息子」世代にとっての親父は「うっとうしい」存在。乗り越えるべき存在。

映画を見ても、素直に楽しめないんじゃないかな。「うっとうしい」と思っている親父との繋がりを感じさせるストーリーだし。

「母親」にとっては、前作の「おおかみこどもの雨と雪」の方が子育ての面で共感できた分、今回はいまひとつ共感できない、消化不良な感じが残るかも。

 

残された「息子がいる親父だけ」がターゲットになってしまっている。娘じゃない、息子だけだ。

共感する登場人物は主役ではなくて師匠。主人公の弟子じゃない。

これが一番良くないポイント。

 

世の中に「息子がいる親父」これがどれだけ居たのかという話になる。

さらに親父層は一番消費活動を行わない層。どれだけの人数が映画を見ようと思ったのか。

そして世の中の消費者としての主力層である母親&息子にはあんまり響かないから、良くない評判が立ってしまった。

そう、テーマ設定が間違っていたとしか言いようがない。

これが「あんまり良くなかった」という評判が固定した理由だと考える。

まあ、いのやんは「息子がいる親父」なので充分に楽しめたんだけどね。

 

でも、こんな事ぐらいは事前に分かっていたはずなんだけど、どうしてなのかな?

 

良くない評判が残ってしまったら次回作の動員人数に悪影響が出てしまうことも分かっていたはず

 

この点が考慮されたかどうかは分かりませんが、新作の「未来のミライ」は誰もが経験している幼少期が描かれているらしい。

誰でも感情移入できる作品になっているみたい。

まだ見てないけど。楽しみです。

 

 

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投稿者: inoyan

関西の某デパートでイベント&催事の「企画・集客・運営」を20年。任意団体「かんさい まるまる劇場」座長もやってるよ。